国家資格には調理師、美容師、一級建築士などがあります。医療の分野でも医師、薬剤師、歯科医師、歯科衛生士、看護師、介護福祉士は国家試験に含まれます。
しかし、医療事務については国家資格が存在せず、全てが民間の資格となります。そのため、「医療事務で働く=国の規制がない」ということで、必ずしも資格が必要とはならないわけですが、それでも資格の取得を目指す人が多いです。
この理由は医療事務の現場では資格取得者が多く、未経験者のは資格がないと内定が貰いにくいという現実があるからです。
募集要項に「未経験でも可」と書いてあっても、「実務経験がなくても大丈夫なのであって、医療事務の基礎知識は必須」というのが本音です。
仮に資格がなくて就職できたとしても、他の職員と同じような業務ができない場合もあります。よく言われるのは「資格取得を目的にせず、現場での仕事力向上を目的とする」ということです。
逆に医療事務の資格をいくつも持っていても、知識があるだけでは誰かの役には立っていません。目指している資格が実務でどう活かされるのかを考えたいです。
医療関係の民間資格は医療事務関連、歯科助手、臨床心理士、細胞検査士などがあり、その中で医療事務関連は30種類以上、代表的なメディカルクラーク試験や診療情報管理士技能検定試験だけでも10種類近くあります。
各々で内容は異なりますが、実は重複する知識が多いです。例えば、「医療秘書技能認定試験」は「医療教育財団」、「医療秘書情報実務能力検定試験」は「MEDIN」、日本医師会医療秘書認定試験は「日本医師会」が運営しています。
主催する団体で名称の付け方が異なっているだけですが、資格そのものは国が指定するものに準拠しています。したがって、どの資格を取得するか決める際は、最初は名称よりも実務レベルで考えます。
医療事務は医科、歯科、調剤、介護などに分かれますので、下記に医療事務に関する資格一覧を掲載しました。どのような資格があるのか把握してみましょう。
| カテゴリ | 試験名称 | 試験日程 |
|---|---|---|
| 医科歯科 | 診療報酬請求事務能力認定試験 | 7、12月 |
| 医科歯科 | メディカルクラーク試験 | 毎月 |
| 歯科 | ドクターズクラーク試験 | 1、3、5、7、9、11月 |
| 医科歯科 | 医療情報実務能力検定試験 | 3、7、12月 |
| 医科歯科 | 医療保険請求実務者 | 毎月 |
| 医科歯科 | 医療事務管理士技能認定試験 | 1、3、5、7、9、11月 |
| 医科歯科 | 医事管理士認定試験 | 1、10月 |
| 医科歯科 | 医療保険士 | 毎月 |
| 医科歯科 | 保険請求事務技能検定試験 | 3、4、6、7、11、12月 |
| 医科歯科 | 医療秘書技能検定試験 | 6、11月 |
| 医科歯科 | 医療管理秘書士 | 1、10月 |
| 医科歯科 | 医療秘書士 | 1、10月 |
| 医科歯科 | 医療管理士 | 1、10月 |
| 医科歯科 | 医療秘書技能認定試験 | 2、8月 |
| 医科歯科 | 日本医師会医療秘書認定試験 | 2月 |
| 歯科 | メディカルケアワーカー検定試験 | 3、7、9、12月 |
| 歯科 | デンタル・アテンダント検定試験 | 1、3、5、7、9、11月 |
| レセコン | 医事コンピュータ技能検定試験 | 6、11月 |
| レセコン | 医事オペレータ技能認定試験 | 毎月 |
| レセコン | 医事情報システムオペレーター | 毎月 |
| レセコン | 医療情報システムペレーター | 毎月 |
| 診療情報 | 診療情報管理士技能検定試験 | 1、5、9月 |
| 診療情報 | 診療情報管理士認定試験 | 2月 |
| 診療情報 | 病歴記録管理士認定試験 | 1月 |
| 調剤 | 調剤事務管理士技能認定試験 | 1、3、5、7、9、11月 |
| 調剤 | 調剤報酬請求事務専門士検定 | 7、12月 |
| 調剤 | 薬剤情報担当者 | 3、7、12月 |
| 調剤 | 調剤情報実務能力認定試験 | 3、7、12月 |
| 調剤 | 調剤報酬請求事務技能認定 | 不定期 |
| 調剤 | 調剤薬局事務者 | 毎月 |
| 調剤 | 医療保険調剤報酬事務士 | 毎月 |
| 介護 | 介護事務管理技能認定試験 | 1、3、5、7、9、11月 |
| 介護 | 介護保険事務管理士認定試験 | 1、11月 |
| 介護 | ケアクラーク技能認定試験 | 2、4、6、8、10、12月 |
| 介護 | 福祉事務管理技能検定試験 | 6、11月 |
| 介護 | 介護情報事務能力認定試験 | 3、7、12月 |
| 介護 | 介護保険請求事務者 | 毎月 |
ざっとで構いませんので一覧表を見たところで、次に勤めたい仕事内容や職場で選らびます。例えば、受験者数が多く知名度の高い資格なら診療報酬請求事務能力認定試験かメディカルクラーク試験になります。
医療秘書を目指すなら医療秘書技能検定試験、調剤薬局で働きたいなら調剤報酬請求事務専門士検定といった感じで絞っていきます。
さらに受験に条件が問われずに合格率が高いといった、比較的に受験しやすい資格がおすすめです。
また、通信講座で受講できる資格がベターですが、主催団体の指定する講座を修了しないと、受験資格が得られないものもあります。これは決して悪いことではないですが、難易度が上がりやすい上に費用がかさむので、第二、第三の資格として、次に受験するのも正しい選択です。
医療事務の仕事の幅は広く、一般事務と共通の業務もあります。例えば、パソコンの操作はもはや必須スキルですが、証明するためにはその資格を取得したほうが就職に有利で、待遇も良くなりやすいです。
情報処理の国家試験のような専門すぎる分野ではなく、Word、Excel、PowerPoint、Accessが使える証明であるマイクロソフト主催の「MOS」「MCAS」「MOT」などがあれば、より仕事に自信が持てると思います。
また、医療事務よりも一般事務の業務のほうが多い職場もありますし、管理職なら総務、人事、経理の専門知識も欲しいところです。
始めは「医療事務で働きたい」だけで充分ですが、自己のキャリアアップを計りたいのであれば、少し視野を広げて、5年先10年先を見据えてみましょう。
診療報酬請求事務能力認定試験
医療事務管理士技能認定試験